-救済の書-
最期の真実の章 六芒リンカ。
@月@日 晴天
白姫ちゃんが死んで、随分と時間が過ぎた気がする。
七瀬ちゃんは白姫ちゃんや私との関係に耐え切れず姿を消した。あのクラスメートの男も学校に来なくなった。
@月@日 晴天
私は白姫の手紙を最後まで読めなかった。読み終えると、彼女の言葉は終わってしまう。この手紙だけがもう白姫ちゃんの残された言葉。
だから最期までは読めなかった。
@月@日 晴天
白姫ちゃんを殺したのは私。
白姫ちゃんは強い女の子だった。
失う物のない強さがあった。だけど、私はそんな白姫ちゃんと始めて出会った時、友達になってあげたいと思ったんだ。
独りにするのは可哀想だと思ったんだ。
その結果がこれ。
@月@日 晴天
賢者の伝説をまた思い出した。
@月@日 晴天
白姫ちゃんのために死んであげようと思った。
刻々と私の心は痛んでいく。
負が陰鬱に沈む惰性なら、正はストレスに耐えかねた最期の発狂。
ニンゲンは日々成長すると言うが、それは無数の経験を熟なし、時には心に傷を負い、生命力により傷の回復から、精神の更なる強化に成功することとリンカは考える。
その傷に耐え切れなかった者だっているのだ。
以前の自分と比べ、今の私は総じて『上位互換』と言い切れるか考えた。そんなことはない。既にこの身には七瀬ちゃんも白姫ちゃんもいない。
@月@日 晴天
もう起こしてくれる白姫ちゃんもいない。
安らかに寝かせてくれる七瀬ちゃんもいない。
このままなにも食べずに寝続けたら、いつか死ねる。
ごめん、白姫ちゃん。
白姫ちゃんへの贄として世界の全てを焼き尽くしたい。