『いたずら心』




 なんて言うか、こいつはどうしてこうなのよ〜。
「お姉ちゃん、これ、やってよ〜」
「でも、あんた。一人でやれるでしょ、これ?」
 机の上には、ギョウ虫検査の一式。説明書と、お尻に貼り付けるセロファン。
「だって、僕、朝起きれるか分からないし」
 説明書曰く、朝起きたらすぐにセロファンをお尻の穴に貼り付ける、ってことなんだけど。
「それにお姉ちゃん、明日は朝早いからいいでしょ?」
 たしかに、友達の見送りに空港まで行くんで、朝は早いけれどね。
「ねえねえ、いいでしょ、いいでしょ」
 弟は私の胸元をつかんで、必死に頼み込んでくる。私よりも、寝起きが悪い弟の事だ。ここで私がやらないと、後で親になんて言われるか。…こういうときに、子ども二人を置いて、ラブラブに二人っきりで旅行に行った両親を恨む。
「分かったよ。やればいいんでしょ、やれば」
「うん。ありがと、お姉ちゃん」
 なんか、とてもいいプレゼントを受け取ったかのように、満面の笑みの弟。…はぁ、弟ながら、かわいいやつ。


 翌日。朝6時。
 昨日言われたとおり、ギョウ虫検査をするために、弟の部屋に。部屋の鍵はしていなかったのは許すが、思いっきり熟睡しているし!
「むにゃ、むにゃ…」
 あんたが必死になって頼んだから、こうしてやってきたのに、張本人は熟睡かい!

 まずは、布団をはがす。ちっとも気づいていない。
 起こそうかと思ったが、せっかく寝ているし、寝起きがとんでもなく悪いから、そのまましよう。

 パジャマのズボンとパンツを一緒に脱がそうとする。が、なんか引っかかっている。…そっか、もうそういう年頃なのね。はぁ。
 股間に手を伸ばし、おっきくなっているのを確認。
「ったく、どういう夢、見ているのやら?」
 前から、そのおっきくなっているものに当たらないように、パンツを引っ張って脱がす。…まあ、それなり、ね。これで大人顔負けだったら、お姉ちゃん泣くよ。


 ゴロッとうつぶせにさせる。起きる気配全くなし。さっさと済まそう。
 お尻の肉を寄せて、お尻の穴を見えるようにする。で、セロファンをペタリ。そして、はがす。はい、できあがり。
「…むにゃ、お姉ちゃん」
 な、起きたのかい?
「そこ、気持ちいいよう、もっとぉ」
 よく見ると、寝言っぽい。しかし、どういう夢見ているんだ? だが、弟におかずにされるのは癪なので、ちょっといたずらしちゃえ。


 私の部屋に戻って、タンスをあさる。
「えっと、どこだっけ? あ、あったあった」
 探していたのは、小学校の時のブルマ。この前タンス整理していたら出てきたから、こういう時のために取っておいたんだよね。
 そして、居間に薬箱から、イチジク浣腸を1箱拝借。

 弟の部屋に戻ると、弟はまだ下半身裸のまま、うつぶせで熟睡中。
「ま、これでちょっと反省して欲しいよね」
 脱がしたパジャマのズボンとパンツの代わりに、ブルマを膝上の所まではかせる。やっぱ、私が小学の時のだから、ぴったし。そして、弟のお尻の穴に、持ってきたイチジク浣腸をプスリ。
「はうう…」
 気がつきそうだけど、まだみたい。なので、浣腸を注入。続け様に、もう1コも。弟のお尻の穴がぴくぴくしているが、気にせずきちんとブルマをはかせる。

 仕込みは終わったので、後は弟が目覚めるか、お漏らししちゃうのを待つだけ。…たぶん、お漏らしする前に目が覚めるとは思うけれど。
 いすに座って、弟の様子を観察。しばらくすると、私の耳にも、ごろごろという弟のお腹の音が聞こえてきた。よく見ると、冷や汗いっぱい。
「ううう、お腹、痛いよう」
 目をこすりながら、ようやく弟がお目覚め。
「おっはー。目覚めはどう?」
「お腹痛いよう。なんかしたの〜」
「これをね」
 そういい、手にしていた空のイチジク浣腸を見せる。
「なに、それ?」
 思わずいすから滑り落ちる。そっか、浣腸された事ないんだっけ?
「その、お腹痛いの原因がこれ。あんた、朝寝坊しているから、ちゃんとウンチしていないんじゃないかなって思ったから、浣腸してあげたの」
 いまいち、寝起きでボケボケな弟には分かっていないみたい。でも浣腸の効き目は的確で、だんだんとごろごろという音が何度も繰り返し聞こえてくるようになってきた。
「く、苦しいよぅ。…ねえ、何で僕、ブルマはいているの?」
「お漏らししても、それだったら、かまわないから」


 よろよろと立ち上がった弟のお腹をさする。
「やだ、止めて、お姉ちゃん」
 思わず、大きな声を上げる弟。でも、その声自体が、最後の一線を越えさせたりする。

 ぶぴゅ、ぶりゅりゅ。ぶびびびーっ。

 排泄音とともに、徐々に盛り上がっていくブルマ。う〜ん、結構固いのから出てるって事は、やっぱり便秘って事か。
「と、とまらないよ、お姉ちゃん〜」
 一度出始めたウンチは、もはや弟の意志とは無関係に、体内から出て行こうとする。見ているうちに、ブルマは前も後ろももこもこに膨らんでいる。
「あらあら。ホントにお漏らししちゃうなんて。トイレまで、我慢できなかったの〜?」
 我ながら、ここまで脳天気な事が言えるなんてね。でも、まあ、これぐらいいいでしょ。


 その後。
 弟を風呂場に連れていって、後始末をしてから、友達の見送りに。風呂場で絶対言うなって念押ししていたから、弟はこのことを両親に言わなかったんだけど、
「ねえ、お姉ちゃん。僕、またウンチが出ないの…。だから、この前みたいに、お浣腸して…」
 あの一件で、すっかり浣腸とお漏らしにはまったみたい。両親がいないとき、そうやって私にせがんでくる。『イヤだ』っていうと、『お姉ちゃんに、無理矢理浣腸された』って両親に言うって脅すし。

 こうなったら、もっと徹底的に恥ずかしい思いをさせてやって、そういう気をなくさなければ。

 ふう〜。ほんのいたずらだったのになぁ。


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