『あきか聖歌』

 第2章


 
 
「……んっ………!?」
 ルナが杓杖の先端をあきかの頬にそっと当てると、それだけであきかは全身を痙攣させた。
 あきかは苦悶の声を必至に抑える。
 まだまだ未成熟だけどあきかは悪魔。
 聖加工を施された杓杖は、あきかに苦痛しか与えない。
 じりじり、じりじりと。
 実際に肌が焼かれているわけでもないのに、あきかは確かに焼かれている苦痛を受け、それでも必至に声を漏らさないように努めていた。
 ルナがそう命じたから。喘ぐな、と命じたから。
 ルナの魔術で喚び出されたあきか。ルナの魔力で縛られたあきか。
 陽が沈んだ。
「…あはは……」
 夜はダークプリースト・ルナの身体が火照る。
 性欲、ではない。加虐の願望がルナを熱く熱く、精神の底から奮わせる。
 
 ルナは1枚1枚、あきかの衣服を剥いでいく。その度に雪のように白い肌が空気に晒され、あきかは身震いした。
「………っ」
 最期の1枚の下着を膝下まで下ろすと、あきかは一瞬息を呑んで硬直した。下着をずり下ろした反動で、その小さな性器がぷるっと跳ねる。
 背中からは薄く黒い羽根が生えていた。夜になったら見えるあきかの黒い羽根。悪魔の羽根。
 ルナは鉄の棒を用意し、あきかをM字に開脚させた状態で足首と手首を固定した
「――ぁ…?」
 とんっとルナがあきかの額を押すと、あきかはなす術もなく、後ろにコロンと転がってしまった。
「〜〜〜〜!」
 あきかの頬が羞恥に染まる。固定された脚は閉じる事が出来ず、ルナに性器ばかりか、お尻の穴まで晒しているのだから。
「あははは。あきか、カワイイ! ね、あきか? あきかは私にどんな風に嬲って欲しいの? 言ってみて。私知りたい! すごく知りたい!
 あきか可愛いし、おとなしいし、悪魔のくせに私なんかよりもすっと純粋だから、いったいどんな願望があるのかなって、私すごく興味あるの!」
「―――……」
 顔を真っ赤に染めながら、それでもあきかは答えた。
「……普通……のがいいです…」
「…普通?」
「…………」
「あ・き・か?」
「――――ふぁっっ!?」
 ルナはあきかの右足首に杓杖を叩き付けた。
 足首が切除されるような痛みが、悪寒があきかを襲う。
 骨が砕けたのかもしれない。
 ずきずきとした鈍い痛みを感じた。
 ノコギリでじゃくじゃく脚を切られるような鋭い痛みも感じた。
「―――ぁ―――うぁ―――ぁ―――!」
 ルナが更に杓杖に力を入れると、いよいよあきかも苦しさに耐え切れず涙を流して、声を漏らし始めた。
「あきか? 喘ぎ声はだめよ?」
「〜〜〜〜!」
 ルナの一言で、あきかは唇を噛んで声を抑えた。
「そうそう。で、さっきの質問♪ 嘘でしょう? 私は分かるもの。違うってコトは。何が本当かは知らないけど、でもあきかが嘘をついた時は分かるの。こう、胸にぴぴぴって来るものがあるもん」
「…………」
「さ。言ってみて♪」
 あきかは痛みに涙をぽろぽろ流して、嗚咽を漏らしながら答えた。
「……お…尻を…苛めてください……」
 その答えにルナは笑いと奮えが止まらなかった。
 こんなに可愛いあきかが自分からお尻を苛めて欲しいなんて言ったのだから。
 
 M字型に股を固定されたままのあきか。
「じゃ、あきかが望むようにいってみようか♪」
「―――ん―!?」
 つぷりと浣腸器の先端を、あきかの晒されたままのお尻の穴に差し込むと、またあきかは小さく喘いだ。
「あきか、喘いじゃだめ」
「……ご、ごめんなさい………」
「罰ゲーム♪ 今から、あきかは自分がどう感じてるかを口に出して言ってみなさい」
「……え…?」
「ほら♪ 今から今から♪ 今どんなカンジなの?」
 あきかはしばらく渋っていたが、ぽつりと言った。
「…お………お尻の穴に…なにか刺さって……ます……」
「どんなカンジ?」
「…なんか……お尻の穴がムリに開かれてるみたいで…………よく…わかんないです……」
「ふぅん?」
 ルナはぐーっとピストンを押した。
「――ぁ――――っ]
 あきかは僅かに喘いだが、すぐに唇をきつく閉じて声を出すのを我慢した。
「どんなカンジ? 言ってみて。いっとくけど嘘ついたら非道い目にあうからね」
 ルナはゆっくりとピストンを押しながら聞いてみた。
「…は…ぁ……………ちゅるちゅるって……ん…お尻からなにかが入ってきて………ヘンなカンジ………」
「気持ちいい?」
「……ちょっとだけ…」
「どんな風に気持ちいいの?」
「お尻にちゅるっとなにかが入ってくるのが………むずむずして……気持ちいいです………でも…ちょっとだけで………ヘンなカンジ……」
「そう」
「―――んぅ!?」
 シリンダー内に残った薬液を一気に押し込むと、あきかは不意をつかれたのか堪らず喘いだ。
「また喘ぐし……」
 
「はいはい♪ で、どんなカンジ? 続けて言ってみて」
「…ぁ……おなかが痛い……です…………んっ…!?」
 あきかの腹がきゅーっと鳴った。ぶるぶると震えるあきか。
「どうおなかが痛いの?」
「…下痢しちゃって……それでもずっと我慢しなきゃいけないときみたいで……でも、それよりももっと痛い……ズキズキした痛みまであって……んぅっっ……!」
「そう? もうちょっと我慢しててね。こっからがメインなんだから」
 ルナは2本目の浣腸器を取り出し、あきかのお尻の穴に当てた。
 あきかがあっと叫ぶが、ルナは構わずずぷっとそれを差し込んだ。
「―んぅ―――――?」
「漏らしちゃダメよー……?」
 またぐーっとピストンを押し込んでいく。
「―――ん―ぁ―――」
 ピストンを押すたびにあきかは可愛く喘ぐ。ルナが根元までピストンを押し切ると、浣腸器はコツンと音が鳴った。
 
 ルナはあきかのお尻の穴に、空っぽになった浣腸器を強く押し当てた。更に数ミリ、浣腸器があきかのお尻に埋没する。
 その状態のまま、ゆっくりと浣腸器のピストンを引いた。
「――んっっ!?」
 シリンダーがあきかの腸内から茶色く染まった便液を吸い出してきた。シリンダーを持っているルナの手には、浣腸器内の生暖かい便液の温度が伝わってくる。
 生暖かい。入れた浣腸液は温めていたわけじゃないのに、腸内から吸い出した便液は温かくて、ルナにはそれが少しだけ心地よい生暖かさに感じられた。 
「どんなカンジ?」
「―――へ、変――――おなかの中がへこむみたいな―――なんか腸がきゅっとなってるみたいな――――んぅ―――わかんないけど―――ヘンなカンジです――」
「気持ちいいの?」
 あきかはぷるぷると首を横に振った。
「やっぱり浣腸されてる時の方が気持ちいいのかな?」
 ルナは便液で満たされた浣腸器のピストンを再び押し始めた。
「――――ぁ―!?」
 吸い出された便液がまたあきかの腸内に戻されていく。
「ね、あきか? 入れられる時は気持ちいいの?」
「―ん――ぁ―――ちょっとだけで―す―――」
 浣腸している間、あきかの小さな性器がぴくぴく震えていた。先からは透明の液が出ている。感じているのだ。
 ピストンが奥まで押し込まれ、あきかから吸い出された便液は全て腸内に押し戻された。
 
「――ん――――――」
 またピストンを引き、あきかの便液を吸い上げる。
 こっちの方にあきかはあまり反応しない。
 ルナは一気にピストンを押し込んだ。
「―――んぁっっ―――!?」
 あきかは喘ぐ。
 性器も震える。今、あきかの性器は勃っている。
 浣腸されて感じてる。
 もしかしたら、前立腺とかいうものを刺激しているのかもしれない。
 ルナは何度も繰り返した。
 あきかの腸内から便液を吸出し、またすぐにそれを浣腸する。
 吸い出す。浣腸する。
 引く→押す
「――――ぁ――――――んぅ―――――――――は―ぅ――――ぁ――――だめ――――おなかが――――苦しい―――――もうだめっ――――ん!?」
 浣腸の度にあきかは喘ぐ。ルナは序々に浣腸のペースを上げていった。
 性器は振るえ、あきかは頬を紅潮させている。
 確実に絶頂に向かっている。
 何度も何度も浣腸を続けた。
 
 ルナはピストンを引き、便液を吸い上げる。
 そしてすぐ様、力一杯あきかにそれを浣腸した。
「〜〜〜〜!! だ、だめ〜〜!」
 ピストンを押し込んだ瞬間、ところてんのようにあきかの性器からどぴゅっと白い精液が迸った。
 まるで浣腸で押し込んだ分だけ、性器から精液が飛び散ったような射精だった。
 それからも断続的にあきかは射精を続けた。
 
「――――はぁ――はぁ―――――ぅ――んぁ―――」
 あきかのおなかが激しく鳴っている。
 強制的な排出と浣腸を何度も繰り返され、それが射精に至るまで続いたのだから、今のあきかはもう精神的にも体力的にも便意には耐えられないはずだ。浣腸器を抜いた瞬間、排泄してしまうだろう。
 けど。
「まだ、出させてあげないわよ――――――――?」